2011.12.18 Sunday


空を見上げると、灰色の空。

いつもと同じに見えて、少しだけ重く、ひんやりと冷えた空気。

早朝、朝食と新しく年を迎える準備をしながら、大きな窓の外を眺めた。
「……雪が降るわね…。」


日に日に、ピリピリとした重たい気が漂う様になっていく。


この館の主から、住人から、笑顔が消えて行く………この感じ。

……私はこの感じを知っている。


前にも、こんな空気を感じた事があったわ…。

今はもう、リュシアンもエリーズも居なくなってしまったけれど。
きっと彼らにもわかるはず。。



貴方の仕業なの…?
……エグレッタ・サクラ…。


全ての人を魅了する美しさを持ちながら、寿命の短い、あの青いバラの様に。

主人の運命をも…美しく儚く彩ってしまうのね。



…細かい雪がパラパラと降り始めた。

何故か、去ってしまった人々を想って館が泣いている様な気がした。
By 家政婦・クローディア | Time : 19:12 | CM : 0 | TB : 0
2011.12.03 Saturday
 

さて、と…


パーティの準備もあと少し。

お客様が喜んでくださるように、準備にもぬかりなく、、精一杯おもてなしをしましょう。


--------------まあ。

どうなさったのですか?クリストファー様。


仮面までつけて、パーティに参加されるのですか?

フフ・・・




-----え?

明日は何かが起こるって?



まぁ、そうなのですね。

あ、クリストファー様、どちらへ行かれるのですか?


フフ、お忙しいですね。





そうですね。楽しみにしていましょう。

パーティはもうすぐ・・・・・
By 家政婦・クローディア | Time : 10:55 | CM : 0 | TB : 0
2011.11.27 Sunday
 

静かに渡り廊下を歩く脇を、一筋の風が通り過ぎる。
表情はわからないけれど、お急ぎのご様子。

近頃、こうした場面を見かける事がふえました。


にわかに慌ただしい邸内。
一部の方々の中に見える、陰り。

何かが少しずつ進行して行くのを感じるわ。

全ては、エグレッタ・サクラの導くがままに。。




……ふと、懐かしい顔が浮かぶ。

セルジュ…
今頃どこかで元気にしているかしら?

貴方がここを離れたのは、良かったのかもしれないわね。。
館の魔力に魅せられる事のない、純粋な瞳をした貴方ですもの。



離れへと向かう主人を見送ると、客間へと静かに向かう。

こういう時は、
決まってどなたかお客様がいらっしゃるのです。
失礼の無い様に、丁重におもてなしして差し上げなくてはね。

主が戻られるまで、

気分を害される事の無い様に。
By 家政婦・クローディア | Time : 14:31 | CM : 0 | TB : 0
2011.11.17 Thursday


ーーーーーだめですよ、クリストファー様。

そちらは、ほら…

限られたものだけしか入ってはいけない事になっているんです。


……え?

誰が決めたのかって?
僕には関係ないって…あ、クリストファー様…!


扉の向こうには、一面に広がる、青いバラ園。

薄暗く、でも儚げに青白く光る
……小さな別館。


ああ。こんな所まで入っていらしたのですね。


ええ。そうです。

今、屋敷の中でヒラヒラと動いていたのは、あの方の、透きとおる様なドレス。
現当主、マクシミリアン様の妹君、シャルロッテ様ですよ。
私もまだ数える程しかお目にかかってはおりませんが…



え?

もう1つ人影が見えるのですか?

きっとお嬢様付きの家政婦ヴェラか、様子を見にいらしたマクシミリアン様でしょう。


………え?
違う…?


……あ!
お待ちください、クリストファー様…!!

これ以上は…!




ーーーそっと、手を引いてバラ園に下りて来る二人の影。ーーーーーー

一人は、虚ろな目をして微笑む、シャルロッテ様。


もう一人は……………

霧でハッキリとは見えないけれど、そう、貴方なのね。




……さ、クリストファー様!

もう宜しいでしょう?
これ以上はいけませんよ。

私もやらなければいけない事があるのですから。


ーーだだをこねてもダメです!!

もう戻りますからね!
By 家政婦・クローディア | Time : 02:49 | CM : 0 | TB : 0
2011.11.01 Tuesday
 

…そう 蝶の館でのパーティからマクシミリアン様がお帰りになられた数日後のことでした。

エグレッタ・サクラの空気が…


いつもの通りの曇り空。
季節を問わず、湿気の多いこの気候。

変わらずに美しく咲き誇る、青い薔薇。。。


だけど、何かが…

何かが変わろうとしているのを感じるの。


ねえ、クリストファー様。
おわかりになりますか…?



私達は、いつものまま。

そっと見守る事にしましょう。
この地に起こる、全ての出来事を… …。
By 家政婦・クローディア | Time : 00:49 | CM : 0 | TB : 0
2010.02.05 Friday


カーテンを開けると
一面に広がる蒼い薔薇―


少女の夢のような
淡いピンクの庭は
一夜にして元に戻った


アレクは一体
どんな魔法を使ったのかしら・・・
ねえ、クリストファー様?


今日は随分と苛立っていらっしゃるけれど・・・


ああ・・・
リリィ・テイラーに行かれなくて
拗ねていらっしゃるのね


仕方がないではありませんか

リリィ・テイラーはハウエル家とは
関係がございませんから


ハウエル家縁の品が置いてないと
行き来が出来ないというのも
不便ですね



後で、思う存分お聞きになったら
よろしいではございませんか

興奮冷めやらぬアレクのお話を・・・



いけませんよ、クリス様
リュシアンの事はそっとしておいて
あげて下さいませ


そうですね
今なら、スウィート・マルベリー・ファーム辺りで
一波乱ありそうな予感がしますわ


行ってらっしゃいませ
お気をつけて・・・って、これは余計でしたわね
By 家政婦・クローディア | Time : 15:10 | CM : 0 | TB : 0
2010.01.10 Sunday


窓から差し込む木漏れ日と
優しい薔薇の香り―


ずっと寒い日が続いていたのに
今日は珍しく良いお天気ね


すっかり華やかな雰囲気に
包まれているエグレッタ・サクラ

使用人達もどこか浮足立って・・

これも一ヶ月後に控えた
バレンタインの魔法なのかしら?


魔法の影響を受けていないのは
そう・・

あの部屋だけ―




リュシアンは・・・

いつまで、ああしているつもりなのかしら?


マクシミリアン様は何も仰らないけれど
このまま執事としての責務を放棄し続けたら
いつかはお暇を出されてしまうというのに


きっとリュシアンのことだから
そんなことは、わかっているのよね


わかっていても、どうにもできないこと


理想と現実の狭間で
一番苦しんでいるのは彼自身


手を差し伸べてあげることは
簡単だけれど

これは自身の力で乗り越えなくてはいけない
彼にとっての試練だから



―だから私は
いつもと変わらぬ日常を
過ごすことに専念しましょう


By 家政婦・クローディア | Time : 11:39 | CM : 0 | TB : 0
2009.09.29 Tuesday


廊下でスヴェンとすれ違った―


穏やかな笑みと
誠実で謙虚な態度は
相変わらずね・・


あら、クリストファー様
そんな意地悪なことを仰っては
いけませんよ


ええ、心得ております
貴方様のお言葉は私の胸の内に
秘めておくことに致します

大丈夫です
余計なことは言いませんわ




伯爵のお部屋から出てきたのは―


トマ?




まさか、スヴェンは・・・


ああ、余計な詮索はやめておきましょう


私は私の仕事を・・



リュシアンの代わりに・・・ね


By 家政婦・クローディア | Time : 18:43 | CM : 0 | TB : 0
2009.09.11 Friday


新しい使用人、トマ―


とても、よく働いてくれる青年で
他の使用人達からも好かれている様子


さすが、ユーン様の・・・


と、これは秘密でしたね、クリス様


でも・・

マクシミリアン様やパトリシアさん

それから、スヴェンも、彼の存在に少しだけ
違和感を感じはじめているようです



それにしても、ヴェルニエ伯爵様は
何を考えていらっしゃるのかしら?



最近、様子がおかしいといえば
リュシアンかしら・・


突然無口になったと思ったら
ボーッとしていて人の話を聞いていなかったり
小さなミスも目立ちます


彼らしくないわね


まあ
仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけれど


カミーユとヘイリーの結婚式を一カ月後に控えた今

リュシアンにはエグレッタの執事として
しっかりしてもらわなくては・・



ですから、クリス様
おとなしくしていらして下さいね
By 家政婦・クローディア | Time : 07:37 | CM : 0 | TB : 0
2009.08.15 Saturday


俄かに慌ただしくなってきたエグレッタ・サクラ



お暇をいただく者は数多く見てきたけれど・・


使用人同士の恋愛が禁止されているこの館では
婚姻を理由に辞めていく者はなかなかおりません


ここでお勤めしていたら
外部の異性と触れ合う機会など
滅多にありませんから



それにしても喜ばしいこと・・


二人が出会ったこの場所で
結婚式が行えるなんて


なんて粋な計らいでしょう!





ああ・・・

そういえば、来週から新しい使用人が
この館にやって来ます


辞めてしまうカミーユのかわりに・・



トマ・ベルナルダン・ユーン



ヴェルニエ伯爵様のご紹介ですが
あの方のお目にかなう方なら安心だわ



それにしても・・


あまりに好青年も困りものね


うちの女性使用人達が放っておかないでしょうから
By 家政婦・クローディア | Time : 13:26 | CM : 0 | TB : 0

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