2011.11.08 Tuesday


あの人がここを去って、どれ位の時が過ぎたでしょうか。

今でも目を閉じればはっきりと思い出せるその姿―――

気が付けば姿を追っていた毎日

たくさんの仕事を覚え、
メイド長にもなって
少しでもあの人に近付けるかと思ったけれど……

あの人には何も届かなかった―――




風が強い夜

こんな日はダメね
眠れなくて 余計なことまで考えてしまう。

ここから見えるこの景色が、私に愛しい人を想い出させる。

私は、いつまであの人の影を追っているの…



眠れずにぼんやり眺めた先には、先日、親戚から届いた紹介状…

良い機会だから お願いしてみようかしら。

新しい環境で
もう一度自分を見つめなおしてみましょう。


いつまでも過去に捕らわれている訳にはいかないの。

前に進まなくては…
By メイド長・エリーズ | Time : 03:38 | CM : 0 | TB : 0
2011.02.15 Tuesday

photo by:雨慶(photost.jp)


今日もまた、手紙がたくさん届く―――

マルグリート様とご一緒に、あちこちのパーティーにお出掛けになっていた名残か
今でもパーティーの招待状がたくさん届きます。
お出掛けの回数は、以前より頻繁ではなくなりましたが…

最近、ラ・レーヴ・デ・パピヨンからの手紙が増えました。

このお屋敷は、今でもハウエル伯爵家の所有となっており、
ハウエル伯爵家から手紙が届くのは、珍しいことではありません。

先代のマルグリート様も、ハウエル家のご親戚。
その先代は、ハウエル伯爵の弟君・ウィリアム様と、奥様のミシュリーヌ様。
更にその先代は、私がお仕えする前なので、存じ上げませんが…

ハウエル伯爵のいらっしゃる、ルドロウ・キャッスルではなく
ラ・レーヴ・デ・パピヨンから、というのは珍しいですわね。


―――あら、セルジュ。どうしたの?
あなた宛の手紙は、残念ながら今日も無いようよ。

マクシミリアン様のお供でパピヨンへ行くのでしょう?
しっかりね。

マイケル様のご指名があなたというのが不思議だけれど…
ああ、いえ…何でもないわ。

エグレッタの使用人として恥じない働きをしてきてちょうだい。
さぁ、準備を手伝って。

By メイド長・エリーズ | Time : 00:30 | CM : 0 | TB : 0
2010.03.26 Friday


館の主人になった方が
ご自分のお身内を館に呼び寄せるのは
珍しくないこと。

マクシミリアン様は
たった一人のお身内であるという
妹君のシャルロッテ様をお呼びになるそうです。

先日、近侍のハリーをご実家に向かわせました。
そのハリーから、シャルロッテ様付きの使用人が一人、
一緒に来るとの報せを受けました。
家政婦のベラさん…だったかしら?

お二人のお部屋を用意しなくてはね。

最近アレクがとても張り切っているようだから、
シャルロッテ様のお部屋は
庭園がよく見えるところにしたらどうかしら。
クローディアさんに相談してみましょう。

アレクは、口喧しいのが難点ではあるけれど
庭師としての腕は一流ですもの。
きっとシャルロッテ様のお心を慰めてくれるはず。


さぁ、エグレッタ・サクラ付の使用人として
誠心誠意、おもてなし致しましょう。

新しい、主のために――
By メイド長・エリーズ | Time : 22:58 | CM : 0 | TB : 0
2010.02.27 Saturday


リリィ・テイラーのパーティは随分と楽しかったようですね。
パーティからお帰りになったマクシミリアン様は、
とても穏やかなお顔をされています。

あの方が私達の主になったことが、
最近しっくりくるようになりましたわ。
主の交代の折には色々と大変でしたし、本当に突然でびっくりしましたが…

時が経つと、そういうものなのかもしれませんわね。


先日、昨年の秋に結婚して、ここを去っていった
フットマンのカミーユと、メイドのヘイリーから
近況を知らせる手紙が届きました。
まぁ…ヘイリーの幸せそうなこと。

「みなさんは、お元気ですか?
 わたしは今、とっても幸せです!
 カミーユさんと、子供は男の子と女の子、どっちがいい?
 …なーんていう話をしちゃったりとか。
 でも、わたしは今後のためにももう少しお仕事をして
 貯金をしておきたいなぁって考えているんですけど…」

…軽く殺意を覚えましたわ。
私が今、何を一番気がかりに思っていると…

いいえ。もうその話は止めましょう。
あの人の時は、結局動き出すことはなかった。
今もずっと、止まったまま…

私が、
どんなに尽くしたとしても
どんなに手を差し伸べても
たくさんの言葉を投げかけても

貴方には、どれも届かなかった。

そして、貴方はとうとうこの館さえも去ると告げた。

ここは、貴方の居場所ではないのですか?
貴方の誇りではなかったのですか?

私の言葉が届かなくても、せめてここに留まって欲しかった。

それでも、ここを去ると決意した貴方を
私は、もう引き止めません。

私は、この地を…この館を…愛しているから。

だから……



さようなら。リュシアン様。
By メイド長・エリーズ | Time : 23:28 | CM : 0 | TB : 0
2010.02.03 Wednesday


お屋敷の周囲に広がる庭園
静かで、厳かな…
深い森のような…

ようやくいつものエグレッタ・サクラに戻りました。

ドレスが届いたからと、はしゃいで
いつにも増して煩いアレク。
あのままだと、バラどころか
庭園中の花が全てピンクになりそうな勢いでしたわね。

マクシミリアン様からひとこと言ってくだされば
きっと解決すると思っておりました。

最近ようやく仕事が回るようになったというのに…
これ以上問題を増やしてほしくないものだわ。



スヴェンさんがリュシアン様に代わって
その仕事をするようになって…
使用人達の仕事がスムーズに運ぶようになりました。

もう、その光景にも随分慣れた自分が居ることが…
少し、腹立たしい……


先日、お見舞いを…と、リリィお嬢様がいらしてくださった時、
まさかリュシアン様が
リリィ様にお会いになるとは思ってもみませんでした。

きっとまた、あの結婚式のことを
思い出したはず――

いつ、貴方の時は動き出すのでしょうか…
By メイド長・エリーズ | Time : 21:29 | CM : 0 | TB : 0
2010.01.14 Thursday


珍しくお客様がいらしたと思ったら…
リリィ・テイラーから、
デザイナーのリリィ様自らが
打ち合わせと採寸にいらしたとのこと。

お茶をお持ちして、それから採寸のお手伝いをするようにと、
クローディアさんから言い付かりました。


リリィ様自らいらっしゃるなんて…
大変ご足労をお掛けしました。
そのドレスを仕立てる相手がこれでは…心中お察ししますわ。

「ええ。マックス様のデザインは素晴らしかったですわ。
 私も頑張らないと!」

マクシミリアン様がドレスのデザインを…?
ますます訳が分からないわ。



アレクと来たら終始機嫌が良く、あれこれと注文を付ける始末。

「あちしにぴったりのドレスを作ってくれでし。頼んだでしよ!」

あぁもう…
リリィ・テイラーのデザイナーご本人に
そんなに口のきき方をするだなんて…
自分をどんな立場だと思っているのかしら。
この庭師は。

「アレク様はスタイルがよろしいから、どんなお洋服も似合いますわ」

リリィ様…そんなにおだてることありませんわ。

採寸を終えて去っていったアレクを見送ると
リリィ様は私に尋ねました。

「先程、リュシアン様が臥せってらっしゃると聞いたのですが…
 お見舞いをさせていただけないでしょうか?」

……。
リュシアン様は…
あの結婚式以来、お部屋から出て来ないのです。
お会いできるかどうかは分かりませんが、
リリィ様がいらしたことを伝えてみましょう。

「それは心配ですわね。お願いします」

リュシアン様。
リリィ様が…リリィ・オーガスタ・テイラー様がいらっしゃいました。

部屋のドアをノックして来訪を告げる。
いつもならば何の反応も示さない、その部屋の主は…
小さい声でしたが、確かに私の耳に届きました。
「どうぞ」と…

久し振りに聞いた、リュシアン様の声でした。
By メイド長・エリーズ | Time : 23:21 | CM : 0 | TB : 0
2010.01.04 Monday


屋敷内がいつになく騒がしいわね…
何かあったのかしら?
いつもとは少し違う空気が漂う――

厳かな空気を破って響いてくるのは
あの庭師の大きな声。
どうやらニコラがその被害に遭っているようですわ。

まったく…こんな所で大声を上げて。
仮にも貴女はリュシアン様の幼馴染でしょうに。
ふさぎこんでいるリュシアン様を案じて様子を見に来た気配すらもない…
少しは気遣ったらどうですの?
本当に無神経な方ね。



え…?
リリィ・テイラーのパーティ…ですって?
貴女が?
マクシミリアン様と?

フフ…まさか。
冗談も大概にして頂戴。
ねぇ、ニコラ。

……え?
まさか、本当なの…?
By メイド長・エリーズ | Time : 22:53 | CM : 0 | TB : 0
2009.12.23 Wednesday


まるで抜け殻のようになってしまった彼の元へ
毎日の食事を運ぶのは私の役目

何度となく試みてはみたものの
今日も話しかけても返事は返って来ず――
その瞳には何も映さないのでしょうか…


何者も寄せ付けないような
研ぎ澄まされた刃のような鋭い
凛とした表情――

常に完璧を求める
仕事に対する姿勢

そんな貴方が好きでしたのに――

貴方の誇りはどこへ行ってしまったの…?
どうしたら取り戻すことが出来るのでしょうか


ねぇ、リュシアン様――
私の声は、届いていますか?
By メイド長・エリーズ | Time : 22:25 | CM : 0 | TB : 0
2009.10.20 Tuesday


色々なことが起こった結婚式でした。

たくさんの方がお祝いにいらしてくださって
とても盛大で、和やかで、良い結婚式でしたわ。


それにしても…

リュシアン様ったら、いつの間にあんな物を用意していたのかしら…?
とてもお似合いで…


――ではなくて。

結婚式の真っ最中に、あんな格好で登場したら
誰もがびっくりしますわ。

本当に…カミーユもヘイリーも 鈍いから良かったものの…



そして、マルグリート様からの手紙にはとても驚きました。

突然の当主の交代。

マクシミリアン様は随分取り乱していたご様子でしたけれど
それも無理もないでしょう。


マクシミリアン様に仕えることについては
何も不満はありませんが…

あの秘書が好き勝手をするのだけは
あまりいい気がしませんわ。


今まで以上に気をつけておかなければ。
By メイド長・エリーズ | Time : 21:47 | CM : 0 | TB : 0
2009.09.27 Sunday


お客様に送った招待状のお返事が次々と届いています。
本当にたくさんの方に送られたのね。
マルグリート様やヴェルニエ伯爵様のご友人に…
カミーユやヘイリーを慕ってやってくる人達。

庭先で配達員から手紙を受け取ったというアレクの手から
残らず奪ってやりましたわ。
その土の付いた作業着のままでお屋敷に入ろうとしないでちょうだい。
全く…
この忙しい時に仕事を増やさないで欲しいわ。


手紙をマルグリート様と伯爵様のお部屋へそれぞれお届けし、
お返事を確認したものを受け取り
逐次リストを作るため、リュシアン様の執務室へ…

リュシアン様、招待状のお返事を届けに参りましたわ。

…残念ながらお留守のようね。
招待状を机に置いておきましょう。

日一日と準備が整っていきます。
By メイド長・エリーズ | Time : 20:57 | CM : 0 | TB : 0

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