2011.12.18 Sunday


空を見上げると、灰色の空。

いつもと同じに見えて、少しだけ重く、ひんやりと冷えた空気。

早朝、朝食と新しく年を迎える準備をしながら、大きな窓の外を眺めた。
「……雪が降るわね…。」


日に日に、ピリピリとした重たい気が漂う様になっていく。


この館の主から、住人から、笑顔が消えて行く………この感じ。

……私はこの感じを知っている。


前にも、こんな空気を感じた事があったわ…。

今はもう、リュシアンもエリーズも居なくなってしまったけれど。
きっと彼らにもわかるはず。。



貴方の仕業なの…?
……エグレッタ・サクラ…。


全ての人を魅了する美しさを持ちながら、寿命の短い、あの青いバラの様に。

主人の運命をも…美しく儚く彩ってしまうのね。



…細かい雪がパラパラと降り始めた。

何故か、去ってしまった人々を想って館が泣いている様な気がした。
By 家政婦・クローディア | Time : 19:12 | CM : 0 | TB : 0
2011.12.17 Saturday


 「Damit ich Sie bewahre; schon…Es gibt nur diese Methode.」
(僕があの子を救うには、もう…この方法しかないというのに)


静かな廊下を早歩きで進む
マックス様の言葉が痛い
そう、あの方を救うにも、この方法しかない・・・



舞踏会を辞したことで
来客者は不思議がるだろうか?
いや、ただの余興と楽しんでいるに違いない

だが、もうお帰りいただく時間だろう
彼らにとっては、とても有意義な時間だったに違いない




ガラスに映る自分の顔
自分を生んだ親の顔など覚えてもいないが

「コンナニ ヨノナカヲ テキニマワス メヲシテイルノカ」

感情も何も込めない
呪いでも祈りでもない
ただ純粋な言葉


ゆっくりと目を閉じ
再び目をあける
いつもスヴェンに戻るため



「お客様がお帰りになります!ご準備を!」
By 従僕・スヴェン | Time : 00:16 | CM : 0 | TB : 0
2011.12.16 Friday
 

黒く重厚な部屋の扉を乱雑に押しやり、響く足音も気にせず窓際まで辿り着く

激しく投げ捨てられた銀色の仮面と、そこから取れ落ちた宝石を拾い上げながら
スヴェンもその後ろに控えた



「Warum es muss so ein Ende nehmen!」
(こんなはずでは無かった!)



カーテンを握りしめ、感情の高ぶるまま母国語で怒鳴る


――――――母の事を… 過去を知っている人物

――――――リュシアンの利用価値

――――――亡霊からの手紙


そして




――――――奪われたシャルロッテ



「Damit ich Sie bewahre; schon…Es gibt nur diese Methode.」
(僕があの子を救うには、もう…この方法しかないというのに)



どんな事があっても、必ず守ると約束した

今は亡き母上との誓いも

脆く、崩れ去ろうとしている





自らその手に堕ちると宣言したシャルロッテ

何故… なんの為に……

お前が選んだ道ならば、それがお前の幸せなのだろうか…





いや……





一度視線を落としてから、後方に控えていたスヴェンを一瞥し
革張りの椅子に深く座る

その視線の意味を瞬時に察したスヴェンは
一度だけ頷き、音も無く部屋を出て行った




まずは調べなければ

あの男の

仮面に隠されていた笑顔の真意を

目的と……、憎悪を




「ロンズデール……ッ」









このゲームで払う代償は大きそうだが

僕は貴方に



「Ich werde ermordet und stelle es nicht auf.」
(殺されてなどやらない)
By マクシミリアン | Time : 00:19 | CM : 0 | TB : 0
2011.12.15 Thursday
 

その夜は素敵な満月

彼と私を照らしていた



もう何日経ったのかしら

私たちは、何処を目指して歩いているのかしら



どこだっていい

あの場所じゃなければ
どこだって



また離れ離れになってしまったのね

ハリーとヴェラと
スヴェンと

お兄様

また会えなくなってしまったのね



今はもう

だいきらいな人たちに
By シャルロッテ | Time : 12:13 | CM : 0 | TB : 0
2011.12.13 Tuesday


 それは12月の初め

仕事上のお客様を多く呼んでの仮面舞踏会での出来事




まずはシャルロッテ様がいらっしゃらないことに気がついた

はじめは「また……」と、 「いつものこと」と思い、
離れの中で思いつく場所のすべてを探して回った


寝室

バルコニー

クローゼット

納屋まで探した


けれど…


シャルロッテ様はどちらにもいらっしゃらなかった




続いて気がついたのは、ハリーが居ないこと

彼ならシャルロッテ様の居場所を知っているのでは…と思い
彼を探したけれど、彼もまた どの持ち場にもおらず

マックス様にご報告してすぐ屋敷中を駆けたけれど

二人はついに見つからなかった




次に二人の顔を見たのは、すべてが起きた後のこと




シャルロッテ様は、凛とした表情でパーティー会場に現れ

後でスヴェンさんから聞かされたのは驚くべき内容だった



ハリーはといえば……

しばらく経ってから離れのどこかからフラフラと
すこし青い顔で出てきたのだけれど

何を聞いても多くは語ろうとしなかった



そして私も… …いえ、そこからは館中がその件への対応で慌しくなり

ハリーにはもうあまり深く問い詰めてはいけないような気もしたのでやめた




スヴェンさんから聞いた、例の件のお相手…

ロンズデール子爵――

…パーティー会場で呼び止められ、テラスにご案内した彼?




兎角、今回のことは私にはわからないことが多い


それでも、いつものことなら

私にはわからずともマックス様とスヴェンさん、

あのお二人が把握していらっしゃればそれでよかった



それが今までのすべてだった



私はシャルロッテ様のおそばで身の回りのすべてのお世話をし、
お二人がシャルロッテ様の未来をさがす――


そのはずだったのに





初雪がちらつく窓の外をぼんやり眺めるハリーの横顔を見ると
いつもそこに在ったシャルロッテ様の横顔に重なり、また胸が痛む

これは、喪失感?

不安?



「シャルロッテ様……」



窓の外には、今年初めての白い雪が舞い始めていた
By 侍女・ヴェラ | Time : 00:14 | CM : 0 | TB : 0

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