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2010.03.26 Friday
![]() 館の主人になった方が ご自分のお身内を館に呼び寄せるのは 珍しくないこと。 マクシミリアン様は たった一人のお身内であるという 妹君のシャルロッテ様をお呼びになるそうです。 先日、近侍のハリーをご実家に向かわせました。 そのハリーから、シャルロッテ様付きの使用人が一人、 一緒に来るとの報せを受けました。 家政婦のベラさん…だったかしら? お二人のお部屋を用意しなくてはね。 最近アレクがとても張り切っているようだから、 シャルロッテ様のお部屋は 庭園がよく見えるところにしたらどうかしら。 クローディアさんに相談してみましょう。 アレクは、口喧しいのが難点ではあるけれど 庭師としての腕は一流ですもの。 きっとシャルロッテ様のお心を慰めてくれるはず。 さぁ、エグレッタ・サクラ付の使用人として 誠心誠意、おもてなし致しましょう。 新しい、主のために―― 2010.03.23 Tuesday
![]() マックス様の近時・ハリーさんが 珍しくすこし緊張した顔で エグレッタ・サクラを後にしたでし 服装もキチンと整えて まるで慌てるように・・・ これは何かあるでしっ・・・! そう思って早速スヴェンさんに聞いてみると ビンゴでしっ マックス様から聞いていた、 あの妹君様がついに このエグレッタ・サクラにやって来るでし! スヴェンさん! シャルロッテ様は、どんな方でしか? ・・・そう聞くと、めずらしく 一瞬視線を泳がせたスヴェンさん・・・ 「とても心優しい、兄想いの妹君様ですよ。 私もハリーも・・・お慕いしています」 スヴェンさんがあんな風に 人のことを話すのってなんだか珍しいでし よっぽど愛らしいお姫様ってことなんでしか・・・? さあ、季節はもうすぐ春でし! 庭師の腕が鳴るでしね マックス様のたいせつなご家族は あちしの自慢の薔薇園でお出迎えするでしよ! シャルロッテ様・・・ どんな方か楽しみでしっ 2010.03.20 Saturday
![]() 動き出した・・か 全てはその子が鍵を握っているのだろうか? 代々仕えてきた使用人が去ってしまった今・・ あの館で君を諌められる者はいない 忠実であまりにも有能すぎる彼の配下・・ あの従僕は? 事は滞りなく進んでいるのか? 感じていた疑問 君達には謎が多すぎたこと 感じる胸騒ぎ 拭えぬ限りは監視の目を解くわけにはいかない 「マックス・・今、何を考えている?」 良い報せを望みたいものだが 先日チャールズから報せがあったレオナルドとミシェルの悲恋 ルドロウの次期当主に選んだのは末のサディアスだという わんぱくなあの子はいくつになったか? 本人はどう思っているか・・覚悟を決めなくてはいけない時がきたようだ それと今回の事で最愛の姉を守るパピヨンの騎士はどうするのかな? 皆まだ若い 若い者には試練を乗り越えていくために常に希望を持って生きてもらいたいものだ その行く先には必ず幸福があらんことを・・・ それが 願わくば マックス 君にも 2010.03.17 Wednesday
![]() 久しぶりに見るドアの前に立つ― 「ただいま戻りました、伯爵」 侍女のミネットさんがドアを開けると 椅子にかけたヴェルニエ伯爵が 静かにこちらを振り帰った 一週間にも満たない僅かな暇を 申し出たのは数日前のこと エグレッタの現当主・マクシミリアン様は 私の行き先の意味に感づいてはいたようだが 小さく笑っただけで、余裕の態度で 許可を出してくださった。 「執事のリュシアンさんが館を去りました。 それと・・ まもなく、マクシミリアン様の妹君 シャルロッテ様が館にいらっしゃるそうです」 先ずのおおまかな報告に目を細め そうか・・、と一言漏らす伯爵 館付きの使用人が去るという事実は大きい。 そして、マクシミリアン様の妹君の件・・。 詳細を話しだし始めても、 伯爵の目は窓の外を見つめたままだった 伯爵に向けた視線を手元の書類にもどし、 エグレッタの近況について報告を続ける ・・ヴェルニエ伯爵は、結婚式の前の段階から マクシミリアン様については色々調査を重ねていた 考え込むような所作を見るところ なにか思い当たる節があるらしい。 伯爵の視線の先には、 見えているのかもしれない。 ・・これから来る、嵐の大きさが―― 2010.03.14 Sunday
![]() 黒光りする机の前 革製の椅子に凭れかかる僕の顔色を伺いながら ハリーが口を開いた 「僕がですか?」 「そうだよ、ハリー」 信じられない―――というように、 後ろに控えるスヴェンの顔色まで伺っている 「ドイツまで戻り、あの子を―――」 輝くハリーの瞳に、優しい笑顔で返しながら 「―――ここへ」 何も知らず、ただ純粋にあの子を慕うハリー 綺麗なお前が、綺麗なあの子を連れて来てくれ 「すぐに身支度をしてきます!」と、慌てて部屋を出ていこうとするが 思い出したかの様にペコリと御辞儀だけして、駆ける足音が遠ざかる 「懐かしいな‥‥」 光の溢れる中庭で、 ハリーとシャルロッテが仲良く戯れている光景を思い出し、小さく笑う しかし次の瞬間、同時に駆け抜ける忌々しい記憶 カツン、という靴音と共に一歩前へ出たスヴェンを見遣り うつむいて再び笑った |
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